【不動産売却時の税金】不動産売却したときにかかる税金(所得税など)を解説

不動産を売却する際にはさまざまな税金がかかることがあります。売買契約書に収入印紙を貼って納付する印紙税はそのひとつですが、なかでも売却による利益に課税される所得税や住民税は大きなものです。どのような税金がいつ課せられるのかをあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

譲渡所得には所得税と住民税が課税される

不動産を売却する際にはさまざまな税金がかかりますが、税金の種類によって納付する時期や納付すべき人はそれぞれ異なります。たとえば売買契約を交わすときには収入印紙を契約書に貼って割印を押しますが、このようなかたちで納税することになるのが印紙税です。ほかに契約後の登記申請の際に登録免許税を納付することになりますが、契約の内容しだいではあるものの、こちらは買主のほうが負担するケースが多いようです。

そして契約後に遅れてやってくる税金として所得税や住民税があり、不動産売却にかかる税金としては、これらのほうが金額も大きく手続きもめんどうなため、あらかじめしっかりと知識を入れておくことが望まれます。不動産を売却した際に利益が生じた場合には、その利益は譲渡所得として所得税や住民税の課税対象となります。この場合の利益というのはかならずしも売却金額そのものを意味していないことにも注意が必要です。

譲渡所得はあくまでも利益ですので、不動産を最初に購入したときに支払った取得費であったり、売却する際に支払った仲介手数料や測量代などのさまざまな費用を売却金額から差し引くことができます。不動産の譲渡所得は分離課税といって、給与所得や事業所得などの他の所得とは別に税金の計算をします。

所有期間による税率の差や各種特例に注意

譲渡所得にかかる税金はその不動産を所有していた期間が5年以下か、5年を超えるかによって税率が大きく異なります。5年以下の場合は短期譲渡所得といい、所得税の税率は30パーセント、住民税の税率は9パーセントです。これに復興特別所得税が加わりますので、実際には両者を足した39パーセントよりも若干税額は多くなります。

5年を超える場合は長期譲渡所得といい、所得税率は15パーセント、住民税率は5パーセントです。また売却する不動産がマイホームの場合には、譲渡所得にかかる税金が各種特例によって軽減されることがあります。たとえば居住用財産の買換え特例は、実際にみずから住んでいた不動産を売却し、そのかわりに新しい不動産をマイホームとして購入した場合に、将来へ課税の繰延べができる制度です。

条件を満たさずこの制度が適用できない場合であっても、マイホームの売却には譲渡所得から最高3000万円までの控除ができる特例が設けられており、こちらを適用する方法もあります。

不動産売却にかかる税金は前もって検討しよう

不動産売却にあたっては印紙税などのさまざまな税金がかかりますが、特に利益が生じた場合には譲渡所得として所得税や住民税の課税対象となります。しかし所有期間により低い税率が適用される場合があるほか、各種特例で実質的に税金を支払わずに済むこともありますので、前もって税額や特例の適用条件などをよく検討しておくとよいでしょう。